- 著者
-
木村 雅則
- 出版者
- Japan Association for Comparative Economic Studies
- 雑誌
- 比較経済研究 (ISSN:18805647)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.1, pp.11-24,95, 2006-02-28 (Released:2009-07-31)
- 参考文献数
- 27
ネップ期経済はパターナリズム,共同体的原理,組織的動員主義,階層間協調主義,近代合理主義をエレメントとして組成され,制度的には経済機関と労組の協議制を基軸とし,指令制や本来の市場と並存・補完関係にあり,共同体的諸関係を基底に配置する多元的体制であった。ネップ期後半の閉鎖化,高圧力化と共に社会階層は分断化され,強引な統合化によって強権的領導主義と社会的合理主義をエレメントとする指令制中心の体制に転換した。