著者
木村 静 阿曽 洋子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.531-539, 2009-01
参考文献数
26
被引用文献数
1

女性への足裏マッサージによる排便促進効果を明らかにすることを目的とし,実験研究を行った。被験者は,9名の女性(平均年齢31.3±8.29歳,平均BMI22.7±2.94)であった。すべての被験者が2日間同一条件にて実験を行った。マッサージの内容は,研究者が施行した15分間の足裏マッサージであった。測定項目は,自律神経としてHF(副交感神経成分)とLF/(HF+LF)(交感神経成分),腸音,皮膚温であった。分析方法は各測定区間間と2群間でフリードマン検定とウィルコクスン符号付順位和検定を行った。結果,HFではマッサージ後3区間目に介入群が対照群より高く(p=0.051),LF/(HF+LF)では両群で差は認めなかった。腸音では介入群においてマッサージ前と比べマッサージ後に有意な増加があり(p<0.0125),2群の比較ではマッサージ後1〜3区間において介入群が対照群よりも高く有意差があった(p<0.05)。皮膚温では,介入群においてマッサージ中に低下し,マッサージ後上昇した。以上より,足裏マッサージには,リラックス効果,腸音の増加に伴う排便促進効果があることが考えられた。