著者
荷宮 剛 木束 裕太 松尾 孝美 ウメルジャン サウット 中野 和司
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第53回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.298, 2010 (Released:2011-02-03)

ウメルジャンらは,DCモータ,スロットルバルブ,リターンスプリングからなる電子スロットル系のモデルベース制御法を提案している.この制御手法では,内部状態を推定するために,非線形可変構造オブザーバを導入して,その推定値を用いたスライディングモード制御系(SMC)を提案している.一方,松尾らは,観測信号の時間導関数を発生するダイナミクスの情報を用いずに推定する適応微分推定器を提案している.しかしながら,提案した推定器では,1階微分の推定は可能であるが,相対次数の制約から,2階以上の微分値の推定を行うことができなかった.本報告では,ハイゲイン入力推定器を用いることにより,これまでに提案している適応微分推定器を2階微分の推定器へ拡張する.ついで,エンジンスロットル制御系を対象とする.スロットル角度信号にガウスノイズの付加された出力信号から角速度と角加速度を推定する.最後に,数値シミュレーションにより,提案した推定器の性能を検証するために,非線形可変構造オブザーバの推定値と比較し,その性能を検証する.