著者
木田 耕太 林 健太郎 清水 俊夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.260-263, 2020 (Released:2020-04-24)
参考文献数
15

神経変性疾患を中心とした神経難病患者の栄養障害は疾患および嚥下障害,呼吸障害,運動麻痺,筋強剛,不随意運動,運動失調など種々の症状や疾患およびその病期によるエネルギー代謝の変容などのため患者ごとに多様である.神経難病患者の栄養療法には多専門職種の知識・経験の共有に基づいた個々の患者に対するオーダーメイドのサポートが必要である.しかしながら外科・内科領域と比して,脳神経内科領域では栄養管理のエビデンスの蓄積は未だ十分でない.神経難病専門病院における栄養サポートチーム(nutrition support team; NST)の活動,および活動を通じて得られた知見について述べる.
著者
木田 耕太 清水 俊夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1083-1085, 2014 (Released:2014-12-18)
参考文献数
10
被引用文献数
3 3

Fasciculation potential(FP)は,筋萎縮性側索硬化症(ALS)の筋電図診断において非常に重要な意義を持つ.運動ニューロンの自発放電に由来するこの現象は,神経変性のもっとも早期からおきると考えられており,FPをいかに正確に検出するかが,ALSの早期診断には重要である.また5相以上のものをcomplex form FP(CFP)と呼ぶ.CFPはALS以外では出現することが少ない.CFPの発生部位は,多くが軸索遠位部であると考えられており,軸索膜の興奮性の増大や不安定性と関連した現象であり,脊髄前角細胞や神経根から生じていると考えられる他疾患のFPと性状がことなり,診断的価値が高いものと考えられる.