著者
木谷 真紀子
出版者
同志社大学学習支援・教育開発センター
雑誌
同志社大学学習支援・教育開発センター年報 = Doshisha University annual report of Center for Learning Support and Faculty Development
巻号頁・発行日
no.8, pp.20-32, 2017-06-30

2016年度春学期、本学日本語・日本文化教育センターに車椅子を使用する学生が在籍していた。日本語を理解せず、生活や学習環境にも慣れていない留学生が、日本語を母語とする学生とは異なる支援を必要としていることは想像に難くない。短い留学生活の中で、学習成果を感じられる環境を調えるためにはどのようなサポートをすべきなのだろうか。今後、障がいのある留学生を受け入れるためのシステムの構築について提案したい。
著者
木谷 真紀子 Makiko Kitani
出版者
同志社大学国文学会
雑誌
同志社国文学 = Doshisha Kokubungaku (ISSN:03898717)
巻号頁・発行日
no.81, pp.327-339, 2014-11-20

三島由紀夫「弱法師」(「声」昭35・7)は、その題の示すとおり、謡曲「弱法師」を題材にとり、『近代能楽集』の八作目として発表された。本稿では、主人公が上野で物乞いをしていたこと、また、養親と実親が家庭裁判所における調停で俊徳をめぐり争っている点に着目。発表された昭和三十五年当時、〈上野の子〉のその後が注目されるような社会活動や、国際問題にまで発展した子どもの引渡請求の裁判があったことが、三島に着想を与えたことを指摘した。さらに、俊徳の終末観が否定されることが持つ意味を考察している。