- 著者
-
木谷 秀勝
- 出版者
- 山口大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2013-04-01
児童期から支援を継続して10年間追跡調査を続けた高機能自閉症スペクトラム障害(以下、高機能ASD)がもつ安定した「自己理解」の背景には、柔軟な状況判断を通した「自分らしさ」の表現と援助要請スキルの高さ、学習・就労体験からの達成感の高さが重要である。その一方で、青年期以降から支援を継続した高機能ASDの場合、家庭や職場において受身的な姿勢で支援を受けるだけでは、青年期以降の能動的な計画性や予測能力が十分に育たないことがわかってきた。そこで、集中型「自己理解」プログラムを通して、高機能ASDの能動性が賦活され、葛藤や対処スキルへの気づきが促進される効果が示唆された。