著者
中川 剛 糸川 高史 中島 康晴 山本 卓明 馬渡 太郎 本村 悟朗 大石 正信 秋山 美緒 岩本 幸英
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.217-219, 2013-03-25 (Released:2013-06-11)
参考文献数
12

人工股関節全置換術(THA)後の脱臼は最も頻度の高い合併症の一つであり,多くの因子の関与が報告されている.そのうち,骨頭径は最も大きなインプラント因子であることとされている.32mm骨頭径の脱臼予防効果を明らかにする目的で,1998年以降の初回THA症例で1年以上経過観察し得た923症例1033関節の脱臼率を調査した.各骨頭径における脱臼率は22mm:194関節中9関節(4.6%),26mm:717関節中15関節(2.09%),32mm:110関節中0関節(0%)であり,Pearson単変量解析にて3群間に有意差を認めた.32mm径骨頭は有意にTHA後脱臼を減少させた.
著者
津田 幸穀 福士 純一 松本 光司 佐藤 太志 菊池 克彦 本村 悟朗 井口 明彦 伊藤 康正 岩松 陽一郎 佐本 信彦 泊 真二
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.652-655, 2008-09-25 (Released:2008-11-20)
参考文献数
6

比較的稀な外傷である上腕三頭筋腱皮下断裂を経験したので報告する.症例は69歳女性.二分脊椎に伴う両下肢不全麻痺のため,両松葉杖歩行中,転倒し右肘痛を生じた.近医を受診し,上腕三頭筋腱断裂の診断で当科紹介された.初診時,右上腕遠位に腫脹・圧痛・皮下出血,肘頭近位に陥凹を触知.可動域制限,筋力低下はあるも,肘伸展は可能であった.MRIで三頭筋腱の連続性消失,周囲にT2高信号の浮腫,出血像を認めた.腱縫合術を施行し,肘頭に骨孔を作成し断端を縫着した.術後3週間のシーネ固定を予定したが安静を保てず,術後17日目に再断裂を確認.再度肘頭に縫着し,人工靭帯で補強を行った.再手術後は3週よりROM訓練開始し,術後8週にはROM 20~120°となり,筋力も回復した.上腕三頭筋腱皮下断裂の治療では腱縫合が推奨され,一般に予後も良好である.再断裂の報告は少ないが,慎重な後療法を行う必要がある.