著者
小貫 麻美子 松本 光司 柊元 巌
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、1) 定期接種プログラムが定める適切な年齢(12-16歳) で子宮頸癌ワクチンを接種したにも関わらずHPV16/18陽性CIN・子宮頸癌を発症した若年日本人女性(=ブレイクスルー症例) を対象にまず初交年齢・ワクチン接種時年齢を聴取することで接種時に実は既感染であったと考えられる患者の割合を推定すること、2) 初交前に適切にワクチン接種を行っていた症例ではHPVゲノム解析・pseudovirionを用いた中和活性測定を行い、現行のワクチンでは予防できない変異ウイルス(variant) を探索する。
著者
松本 光司 吉川 裕之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.11, pp.2456-2464, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
5

ヒトパピローマウイルス(HPV;human papillomavirus)は現在90以上の型が分離されているが,HPVの型によって感染部位と生じる疾患が異なる.子宮頸癌の90%以上からHPV DNAが検出され,我が国ではHPV16,18,31,33,35,52,58型の7タイプがとくにハイリスクである.海外ではワクチンがすでに市販されており,ワクチンによる感染予防が現実のものとなってきた.
著者
吉川 裕之 八杉 利治 川名 敬 松本 光司 松本 光司
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

現在の子宮頸癌予防ワクチンはHPV型特異的で、HPV16/18感染だけを予防するので、子宮頸癌罹患の減少は最大70%である。HPV型共通であるL2領域の複数のペプチドをL1とともに発現させ、すべての発癌性HPVによる子宮頸癌を予防可能なHPVワクチンとして開発した。今後、臨床試験が必要である。
著者
松本 光司 今井 奈月 鶴森 熊子 谷為 昌彦 河村 光偉 池田 元子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第8回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.71-75, 2011 (Released:2011-10-14)
参考文献数
9

知的財産権に関する訴訟は、企業にとって大きなリスクを伴うものであり、権利情報の 1 つの側面でもあることから、企業の情報担当者または知財担当者はこれら訴訟情報にも精通していることが求められる。今回、日本と米国における訴訟情報について、『判例情報』と『経過情報』とに内容を分けて、それぞれの情報源および調査手法の検討を行ったので報告する。なお、本内容は平成 22 年度日本 FARMDOC 協議会 (JFA) での「日米における訴訟情報の調査手法研究会」の成果の一部である。
著者
松本 光司 佐久間 雅久 島田 隆明
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.28, 2012

<b>【目的】 </b>我々は高校野球三重県大会においてメディカルサポートを実施しているが、その対象は一部の選手に限られる為、選手の状況を把握する為に、アンケート調査を実施し、選手の障害予防への介入方法の検討を行った。<br><b>【対象】 </b>三重県高校野球連盟に加盟の南勢地区を中心とする13校の硬式野球部の選手300名。<br><b>【方法】 </b>我々が各高校を訪問し、調査の目的、記入方法を説明し、現地にてアンケート用紙を回収した。アンケートは無記名の質問方式にて、(1)基本情報(学年、身長、体重、ポジション、野球歴、他スポーツ歴)、(2)理学療法士(以下:PT)の認知度、PTとの関わり、(3)障害(現在、過去の怪我・疼痛の有無、怪我をして受診する施設)、(4)生活習慣(練習時間、睡眠時間、ストレッチング(以下:STG)、食事・水分摂取)について調査した。また、怪我・疼痛とSTGの関係性について多変量解析(主成分分析)を用いて検討を試みた。<br><b>【結果】 </b>(1)基本情報 1)学年:1年生141名、2年生159名。2)ポジション:投手60名、捕手26名、内野手121名、外野手93名。3)野球歴:小学校から265名、中学校から35名。4)野球以外のスポーツ歴:ない138名、ある162名。<br>(2)PTの認知度およびPTとの関わり PTの知名度に関して、知る選手163名、知らない選手137名。PTと関わった事がある選手60名であった。また、PTの治療・指導に興味がある選手は182名であった。<br>(3)障害 怪我の既往歴がある選手は221名であり、野球肘83名、骨折72名、肉離れ50名、野球肩42名、腰痛19名、疲労骨折14名、腰椎分離症12名、捻挫10名、半月板損傷9名、腰椎ヘルニア9名、靱帯損傷8名、オスグッド4名、シンスプリント2名であった。<br> 現在怪我をしている選手は56名であり、野球肘15名、野球肩7名、腰椎ヘルニア・捻挫・腰椎分離症・膝痛が各4名、肉離れ3名、疲労骨折・腰痛が各2名であった。現在疼痛がある選手は165名、その内訳は腰痛61名、肘痛58名、肩痛51名、足部痛30名、手首痛16名他となった。そして、93名(56.4%)は痛みについて監督・コーチは把握していない結果となった。怪我・痛みに対して受診する施設は整骨院・整体師・鍼灸師が230名、病院が116名、PTによる治療が27名という結果であった。<br> 障害とSTGの関係について主成分分析の解析結果は、怪我によって、STGに関する認識や、実施時間が増える傾向であった。<br>(4)生活習慣 1)平均睡眠時間:5~6時間192名、7時間以上102名、3~4時間6名。2)部活動以外でのSTG実施状況:毎日実施115名、全くしない90名、週2・3日61名、週4日以上34名。3)STG実施時間:5~10分89名、10~15分57名、5分以内43名、15分以上21名。4)食事の摂取状況:主に朝食を食べない選手が多かった。5)水分摂取状況:練習中と試合中で違いがあり、試合中はスポーツドリンクを摂取している選手が多かったが、摂取量に気を付ける選手の割合は低かった。<br><b>【まとめ】 </b>今回、野球選手の障害状況と生活習慣の実態が明らかとなった。<br> 結果から、大会期間中だけでなく、三重県高校野球連盟と緻密な連携を図り、定期的なメディカルチェックやSTG講習会を実施し、選手個人の状態が把握できるような支援体制の構築が必要だと考える。
著者
津田 幸穀 福士 純一 松本 光司 佐藤 太志 菊池 克彦 本村 悟朗 井口 明彦 伊藤 康正 岩松 陽一郎 佐本 信彦 泊 真二
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.652-655, 2008-09-25 (Released:2008-11-20)
参考文献数
6

比較的稀な外傷である上腕三頭筋腱皮下断裂を経験したので報告する.症例は69歳女性.二分脊椎に伴う両下肢不全麻痺のため,両松葉杖歩行中,転倒し右肘痛を生じた.近医を受診し,上腕三頭筋腱断裂の診断で当科紹介された.初診時,右上腕遠位に腫脹・圧痛・皮下出血,肘頭近位に陥凹を触知.可動域制限,筋力低下はあるも,肘伸展は可能であった.MRIで三頭筋腱の連続性消失,周囲にT2高信号の浮腫,出血像を認めた.腱縫合術を施行し,肘頭に骨孔を作成し断端を縫着した.術後3週間のシーネ固定を予定したが安静を保てず,術後17日目に再断裂を確認.再度肘頭に縫着し,人工靭帯で補強を行った.再手術後は3週よりROM訓練開始し,術後8週にはROM 20~120°となり,筋力も回復した.上腕三頭筋腱皮下断裂の治療では腱縫合が推奨され,一般に予後も良好である.再断裂の報告は少ないが,慎重な後療法を行う必要がある.