著者
本谷 智宏 並木 武文 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.628, pp.9-14, 2000-02-17

電磁界解析手法であるFDTD法において, 金属の領域は完全導体としてモデル化することが一般的である.しかし, 導体損失が無視できないような問題ではこのような取り扱いはできない.その場合の効率的な計算手法として, 表面インピーダンス境界条件(Surface Impedance Boundary Condition:SIBC)を用いることが提案されている.SIBCでは, 金属の電気的特性をその表面の電磁界のみで表現し, 金属内部の電磁界を計算しない.このため, 計算負荷の大幅な低減が可能になる.ここでは, 周波数依存性を持つSIBCの定式化を説明し, マイクロストリップ線路等の伝送線路を構成する金属に適用して伝送特性を解析した結果について報告する.