著者
小林 聖 風間 宏志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.112, pp.19-24, 1998-06-18

本論文はランダムアクセス衛星通信用スペクトル拡散復調回路を提案している.提案する構成は, ディジタルマッチトフィルタ出力の包絡線検出前および後に巡回積分器を設け, これらに適切な時定数を配分することにより周波数誤差による劣化を抑え低い拡散符号誤検出率を達成する.シミュレーションおよび実験により提案方式を評価した結果、Eb/No=-1dBにおける拡散符号誤検出率は10^<-10>以下であることを示した(検出区間50シンボル).さらにランダムアクセス信号の周波数誤差を抑えるため, サプライリンク信号を端末および中央地球局で周波数基準に用いる新たな周波数同期方式を提案している.提案方式は周波数誤差を大きく低減することを理論的に示した.
著者
有田 武美 中川 正雄 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.28, pp.7-12, 2001-04-20
被引用文献数
2

家庭内ネットワークが注目を集めてきており,映像を主としたエンターテイメント系の高速・リアルタイム情報の伝送に適したIEEE 1394インターフェース(i.LINK/FireWire)が,PCやビデオ機器を中心に普及し始めた.本稿は,それを無線化してさらに便利なものとすることをねらい,MMAC(マルチメディア移動アクセス推進協議会)で検討を進めて,この3月に標準規格(ARIB STD-T72)として制定したワイヤレス1394システムの考え方,具体的な仕様内容とホームネットワーク構築技術について述べる.
著者
佐藤 暢明 丸林 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.144, pp.27-30, 2002-06-20

周波数ホッピングスペクトル拡散変調による加入者線伝送方式の可能性について検討を行った.前回行われた並列FH/M-ary Multilevel FSK方式(以後MMFSK方式と略称する)の検討^[1]では,線路減衰量が127dBという非常に高い数値となり,それを補償する高利得増幅器が必要であった.今回提案する多周波組合せMMFSK方式では,多周波の組合せでレベルを表すことにより周波数利用効率の大幅な向上が図られており,その結果容易に実現可能な利得で高速な通信が可能となった.本論文では本方式を加入者線に使用した場合に達成できる伝送速度と線路長,送信電力の関係についての検討結果が示されている.
著者
門間 義之 入江 一成 太田 紀久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.213, pp.1-6, 1998-07-24

筆者等は、地域の一般家庭あるいは中小ビジネスユーザに利便性の高いコンピュータ通信サービスを経済的に提供することを目的として、地域情報ネットワークシステムの開発を進めている。登録ユーザ間でPCを利用したコネクションレス通信を行えるグループ通信サービスを提案し、これまでに、大規模ユーザを効率的に収容可能とするための多重化ブルータ、宅内にLANと同じイーサネットインタフェースを提供するためのローエンドカード、並びにグループ管理サーバを開発し、実験システムによる基本特性確認を行った。今回、本システムを実際に地域に展開する場合を想定し、複数のセンタ(収容局)あるいは多重化ブルータを結ぶ加入者収容形態について検討を行った。実際の実験システムにより多重化ブルータを跨る場合のスループット特性を明らかにする。また、他地域との接続サービスについても述べる。
著者
花木 明人 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.629, pp.21-26, 2000-02-18

本報告では, アレーアンテナとMLSEを用いた時空間等化処理において, 複雑な処理を必要とするが優れた特性を有するarray processing MLSEと, 若干特性が劣化するものの簡易に時空間等化処理を実現できる縦続接続法について考察するとともに, それらの手法を互いに組み合わせた新たな手法を提案する.計算機シュミレーションよる検討の結果, 提案手法の一つSSW-MLSEは, array processing MLSEと比較してブランチメトリックの演算量が大きく減少するにも関わらず同等の平均BER特性を示すことがわかった.特に, アレー素子数が7以上の場合はarray processing MLSEよりも優れた特性を示すことがわかった.
著者
三上 正 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.614, pp.145-150, 1998-03-19

Daemenらは, IDEA暗号の鍵のうち, 2^<51>個の鍵はその総当たりをするよりも少ない計算量で推定できることを述べ, そのような鍵をWeak Keys(=弱鍵)と呼んでいる。本稿では, Daemenらの考えを拡張した二段消去攻撃をIDEA暗号に対して行った。その結果, Daemenらのものとは異なる弱鍵を見いだした。その弱鍵には2^<59>個が含まれる。鍵の推定には2^<39>組の選択平文対を必要とする。しかし, 鍵の推定にかかる計算量は, 59ビットの全数探索2^<59>と比較して, 本攻撃では2^<44.2>程度で済むことを見積もった。
著者
江島 一樹 梅林 健太 水谷 克也 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.28, pp.41-48, 2001-04-20
被引用文献数
16 5

新しい形のスペクトル拡散システムとして、Ultra Wide Bandwidth-Impulse Radio(UWB-IR)が高速無線通信方式として注目され始めている。ここでは、そのなかでもTH(Time Hopping)方式について注目し、その他局間干渉を低減するために、M-aryの考えを用いて多値化して、伝送速度を落すことなく他局間干渉が低減できる方式を提案する。この提案方式について計算機シミュレーションを行ない、E_b/N_oでBERを比較した所、BERが10^<-3>の時、3.125Mbpsで1ユーザの時約3dB、30ユーザの時約4dBの利得が得られた。
著者
高橋 知史 四方 順司 松本 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.746, pp.87-92, 2003-03-20

物理的攻撃に対して耐性のある署名方式として, Forward-Secure署名方式やKey-Insulated署名方式などが提案されている.Forward-Secure署名方式は,署名対象期間を複数の期間に分割し,署名生成鍵を期間毎に使い分けることにより,署名生成鍵を盗まれた期間以前の鍵で作られた署名の安全性を守る署名方式である.またKey-Insulated署名方式は,安全なICカード等のデバイスの中に"マスターキー"と呼ばれる鍵更新のための鍵を格納し,署名生成鍵を更新していく署名方式であり,署名生成鍵が盗まれた期間だけで被害が収まるといった利点がある.本稿において提案する署名方式は,Forward-Secure署名方式を基にして構成されており,必ずしも安全なデバイスを仮定することがなくとも"過去の期間に作成した署名"を用いて鍵更新を行うことでKey-Insulated署名方式と同等の性質を実現している.また,過去に作成した署名は偽造署名発見時の証拠としても利用できるといった利点も挙げられる.
著者
宮谷 徹彦 川井 久嗣 渡邊 淳 今泉 市郎 安部 俊二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.595, pp.45-50, 1999-02-18

基地局間非同期W-CDMAのロングコード同定について、MF以外に同定用の相関器を必要としない同定回路を提案し、試作装置にて評価したので報告する。提案方式では、MFのシフトレジスタを一時的なメモリとして利用し、任意位相を生成可能な拡散符号生成器を使用する事で、ロングコードの高速同定が可能となる。室内実験の結果、Eb/No=10dBの1波静的環境下、4グループ、128ロングコードの条件にて、770[msec]で同定が終了する事を確認した。また、周波数オフセットに対して、±0.5[ppm]まで耐え得る事を示している。
著者
今本 健二 櫻井 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.745, pp.91-96, 2003-03-19

インターネットを介して重要な情報を交換する場合、認証を伴った鍵交換が必要となる。本研究では既知共有鍵を用いた鍵交換における問題として、ID情報盗聴・DoS攻撃・リプレイ攻撃・成りすましなどの攻撃を考える。これらを防いだ上で、少ない通信回数・通信量で安全な鍵交換を実現したい。本論文では、これらの性質を実現するために、一度限り有効な個人識別情報を導入した上で、Diffie-Hellman鍵交換をベースとした認証付き鍵交換方式を提案する。
著者
入谷 忠光 井原 敬能 片岡 実 大家 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.378, pp.37-40, 1998-10-30
被引用文献数
1

日本の交通事故による死亡者が年間1万人であり, このうち交差点での出会い頭の事故が40%で, そして0.5秒速くブレーキかけることができれば50%の, また1秒ならば90%の事故が防げると言われている.このようにブレーキ操作を速くかけることを目的とした新しい車車間通信を提案する.すなわち各車両は現在の位置, 速度, ブレーキなどの情報を周りの車に電波で知らせると同時に, 他の車両と信号機の状態を受信する.各車両は周波数が異なる放送局であり, 同時に他の車の電波を受信する方式なので, アドレスを割り付ける必要が無い.マルチパスに打ち勝つために周波数ダイバーシティを用いたFSK方式で, しかも同期が容易な方法を提案する.
著者
矢部 雅人 山口 和彦 小林 欣吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.745, pp.155-160, 2003-03-19

近年,Shannon限界に迫る新しい符号化・復号方式としてターボ符号・復号という誤り訂正方式が注目を浴びている.最近ではW-CDMAに採用され,その他の用途への利用,標準化も検討されている.しかし,ターボ符号・復号にはまだ検討されていない問題があり,バースト誤りに対する耐性もその1つである.インタリーバを利用しているためにバースト誤りに強いと思われていることが多いが,このインタリーバは主に符号の特性を改善するためのものであるため実際はそうではない.本稿ではターボ符号のバースト誤り訂正能力について再検討し,よりバースト誤り通信路に適する手法を探る基礎となる検討を行った.
著者
吉田 真紀 藤原 融
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.657, pp.79-84, 1999-03-10

WWWは, その普及に伴って, 広告業など様々な商用への利用が行われつつある. WWWにおける広報活動の一つとしてウェブコンテンツ配信サーバが広告主から依頼を受け, コンテンツ内に依頼された広告を加えるという形式がある. このときの広告料金はサーバの広報能力に応じて支払うのが望ましい. サーバの広報能力の代表的評価基準はアクセス回数であり, 本稿ではその計測方法を考える. 特に, サーバがアクセス回数を計測し結果を調査機関に報告する方式を考える. 公正なアクセス回数計測を実現するために, サーバが調査機関への報告の正しさを証明できるようにすべきである. 本稿では,調査機関へ効率良く証明でき, その証明内容がプライバシを侵害しない方法を提案する.
著者
本谷 智宏 並木 武文 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.628, pp.9-14, 2000-02-17

電磁界解析手法であるFDTD法において, 金属の領域は完全導体としてモデル化することが一般的である.しかし, 導体損失が無視できないような問題ではこのような取り扱いはできない.その場合の効率的な計算手法として, 表面インピーダンス境界条件(Surface Impedance Boundary Condition:SIBC)を用いることが提案されている.SIBCでは, 金属の電気的特性をその表面の電磁界のみで表現し, 金属内部の電磁界を計算しない.このため, 計算負荷の大幅な低減が可能になる.ここでは, 周波数依存性を持つSIBCの定式化を説明し, マイクロストリップ線路等の伝送線路を構成する金属に適用して伝送特性を解析した結果について報告する.
著者
吉滝 幸世 太田 雅敏 川口 明彦 石原 進 水野 忠則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.678, pp.211-218, 2002-03-01

近年,携帯電話上で絵文字を利用したメールや,モバイルカメラで撮影した写真に簡単な加工を施して他人に送信するなどの,画像を利用したコミュニケーションが盛んに行われている.しかし,現在は携帯電話上でユーザが自由に画像を作成することはできず,利用できる画像は,端末内にあらかじめ用意されたものや,Web上からダウンロードしたものに限定される.そこで,筆者らは自作の画像による携帯電話でのコミュニケーションを可能にするツールとしてCONTE(Canvas ON mobile TElephone)を提案する.本稿では,CONTEシステムを設計,実装し,比較実験とアンケート調査による評価を行った.評価結果より携帯電話を用いたお絵描きツールの有効性が示された.