著者
浜田 成一 杉原 栄作 貝戸 清之 水谷 大二郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.84-101, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
32
被引用文献数
2

建設業法上,建設企業は総合工事企業と専門工事企業に分類される.本研究では,老朽化が進む社会基盤施設に対する維持・修繕工事の需要の増加と,資本金階層別の建設企業の維持・修繕工事の受注件数や請負契約金額に関して,統計調査データの分析やヒアリング調査を実施し,一般的な維持・修繕工事の大半は,資本金1,000万円以上5,000万円未満の専門工事企業が受注していることを明らかにした.さらに,1)官公需法の下では維持・修繕工事において専門工事企業が中心的な役割を担うこと,2)それにより維持・修繕工事の不完備性を軽減し得ること,3)発注方式として,設計・施工一括発注方式が望ましいことを述べた.一方で,専門工事企業には技術の専門性のみならず,維持・修繕工事全体を管理する総合技術力が要求されることに言及した.