著者
中野 義昭 種村 拓夫 杉山 正和 小関 泰之 肥後 昭男 久保田 雅則
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2014

(1) 量子井戸型偏波制御器の設計と試作前年度に開発した量子井戸型偏波制御器の高速化と省電力化を図るために, 逆バイアス駆動により量子閉じ込めシュタルク効果を用いた変調素子を試作実証した. 並行して, さらなる高性能化に向けて量子構造の最適化を進めている.(2) 偏波解析素子の設計と試作前年度に作製した量子井戸型受光素子を搭載した完全にモノリシックな集積回路を評価し, ポアンカレ球面上の任意の偏波状態を検出できることを実証した. さらに, 高感度化に向けて, 4ポート構成を新たに提案し, 素子パラメータの設計を完了した. 現在, 4ポート素子の作製を進めている.(3) 光波合成チップの設計と試作前年度に提案したランダム信号を用いた駆動手法を大規模光波合成チップに適用し, その有効性を実験的に検証した. 同時に, 2次元化に向けて, 回折格子カプラを集積した素子の試作を行った. これらの素子の応用の一つとして, 2次元イメージング実験を進めている.(4) ユニタリ変換チップの設計前年度に作製した3×3ユニタリ変換チップを用いて, 任意光ユニタリ変換機能を実験的に検証した. 並行して, 作製誤差に対して耐性のある新規構造の素子を完成させ, 評価を進めている.