著者
中島 裕也 川端 香 杉本 志保理 宮原 智子 小林 康孝
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.793-803, 2021-12-15 (Released:2021-12-15)
参考文献数
9

高次脳機能障害に対する介入として,Self-awareness(自己の気づき)に焦点をあてることは重要である.今回,高次脳機能障害者の社会復帰支援に際して,日本語版SRSIを活用した.その評価結果から,Self-awarenessの程度を把握して介入指針を決定した.Self-awarenessの程度に合わせた有効な補填手段と,実際に用いる補填手段との整合性が合うことで,各ストラテジーが定着し,社会復帰へつながる一因になると考えられた.日本語版SRSIは,Self-awarenessの程度とその変化に対する評価や,高次脳機能障害者支援における的確な介入指針を見出す一助になる可能性が示唆された.
著者
中島 裕也 酒井 涼 杉本 志保理 小林 康孝
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.665-673, 2021-10-15 (Released:2021-10-15)
参考文献数
17

高次脳機能障害復職支援事例を通して,医療機関から就労支援機関へのシームレスな連携における作業療法介入を再考し,職務選定に係る整理票(以下,整理票)を用いた職場支援の効果について検討した.支援では,休職・所得保障期間を把握し,職業準備性を高めつつ就労支援機関と連携を図った.また整理票を用いて復職時の職務内容を再設計し,配置転換での復職に至った.シームレスな連携には,復職に関する情報,職業準備性の状態,就労支援機関の機能など総合的な視点を持ち,復職プランを見立てる作業療法介入が必要と考えられた.また,整理票を用いて職務内容を再設計することが職場支援への一助になることが示唆された.