著者
李 常慶
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-15, 2006-03-20 (Released:2017-05-04)

中国では,1990年代から2000年代の始めにかけて,『四庫全書』続修の一環として,四庫全書関連大型叢書,すなわち,『続修四庫全書』,『四庫全書存目叢書』,『四庫禁毀書叢刊』が刊行された。本稿は,まずそれらの刊行要因およびその経緯について詳しく検証した。ついで,それをもとにして,広い文化的視野から四庫全書関連叢書の刊行事業を分析した。これらの考察を通じて,古典籍の整理と刊行は,古典籍を保護し伝承するのに必要なものであること,および,これらの叢書が単に出版物として読者に益をもたらすのみならず,その出版自体が大きな文化史的意味を持つものであることを明らかにした。
著者
李 常慶
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.153-165, 2005-12-15 (Released:2017-05-04)

本稿は, まず, 『四庫全書』の続修をめぐる歴史的要因を明らかにし, その上で, 清朝末期から民国時代までにわたる『四庫全書』を続修しようと呼びかける運動やその編纂計画などを歴史的に検証した。ついで, この検証に基づき, 東方文化事業総委員会による『続修四庫全書総目提要』の編纂および台湾と中国大陸における『続修四庫全書総目提要』の刊行を事例として取り上げて, 『四庫全書』の続修に関する歴史的な展開を考察した。この考察によって, 『四庫全書』の続修に関する呼びかけや編纂計画は, 『四庫全書』の欠陥を補い, 中国古典を本来の姿に回復させるものであるだけではなく, 古典を保護し伝承するのにも必要不可欠なものであることを明らかにした。
著者
李 常慶
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-15, 2006

中国では,1990年代から2000年代の始めにかけて,『四庫全書』続修の一環として,四庫全書関連大型叢書,すなわち,『続修四庫全書』,『四庫全書存目叢書』,『四庫禁毀書叢刊』が刊行された。本稿は,まずそれらの刊行要因およびその経緯について詳しく検証した。ついで,それをもとにして,広い文化的視野から四庫全書関連叢書の刊行事業を分析した。これらの考察を通じて,古典籍の整理と刊行は,古典籍を保護し伝承するのに必要なものであること,および,これらの叢書が単に出版物として読者に益をもたらすのみならず,その出版自体が大きな文化史的意味を持つものであることを明らかにした。
著者
李 常慶
出版者
Japan Society for Information and Media Studies
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-20, 2005

本稿では,1970年代末から始まった中国古典籍のデジタル化の流れをまとめた上で,中国の古典籍史上最大の叢書である『四庫全書』のデジタル化について紹介し,最後に『四庫全書』のデジタル化が学術研究に与える影響について考察した.この考察を通じて,『四庫全書』のデジタル化は中国古典籍の保存,整理および利用に大きな役割を果たすのみならず,今後の中国古典籍のデジタル化,例えば,漢字処理技術の開発などにおいても非常に参考になるものであることを明らかにした.さらに,『四庫全書』のデジタル化により,膨大な量の古典籍の本文を加工して利用しやすくなり,これの検索ももれなく行なうことができ,さらに,数量的分析も行ないやすくなるので,古典籍の学術研究に大きな刺激を与えることができることをも指摘した.
著者
李 常慶
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.153-165, 2005-12-15

本稿は, まず, 『四庫全書』の続修をめぐる歴史的要因を明らかにし, その上で, 清朝末期から民国時代までにわたる『四庫全書』を続修しようと呼びかける運動やその編纂計画などを歴史的に検証した。ついで, この検証に基づき, 東方文化事業総委員会による『続修四庫全書総目提要』の編纂および台湾と中国大陸における『続修四庫全書総目提要』の刊行を事例として取り上げて, 『四庫全書』の続修に関する歴史的な展開を考察した。この考察によって, 『四庫全書』の続修に関する呼びかけや編纂計画は, 『四庫全書』の欠陥を補い, 中国古典を本来の姿に回復させるものであるだけではなく, 古典を保護し伝承するのにも必要不可欠なものであることを明らかにした。
著者
李 常慶
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.597-603, 2009-12-01

清朝の末,中国における近代的図書館が誕生してまもなく,最初の図書館規則が作られた。民国時代になると,図書館の設立が盛んになり,図書館法制度も大きな進展を見せるようになった。だが,新中国成立後の最初の30年間,イデオロギーや政治闘争が優先されたことで,図書館法制度の整備が軽視され,図書館法制度は大きく後退した。1980年代からの改革開放路線により,図書館は大きな発展を遂げただけでなく,図書館法制度も整備されるようになった。しかし,これまでの中国における図書館法制度の整備は,主に行政府部門の主導で制定し公布した「条例」や「規程」などの形によってなされ,立法機関が制定した正式な図書館法がいまだに存在しない。これは,中国社会における図書館の低い影響力や国家法制度確立の遅れ,異なる官僚組織に所属する図書館組織構造の問題および経済を最優先する現実主義的な考えなどによるところが大きいと思われる。