- 著者
-
李 榮淳
本間 清一
- 出版者
- Japanese Society for Food Science and Technology
- 雑誌
- 日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.6, pp.515-519, 1991-06-15 (Released:2010-01-20)
- 参考文献数
- 7
- 被引用文献数
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2
アジア諸国の穀醤16種と魚醤4種を電気透析にかけ,非透析性画分のFe(II)キレート能を測定した.方法は0.1mM硫酸鉄(II)を含むpH4酢酸緩衝液によるゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)にかけ,溶出画分の鉄濃度を測定した.その結果,鉄錯体はメラノイジン画分と非着色画分に検出された.醤油のFe(II)キレート能は,穀醤は0.11~1.95mg/ml,魚醤は0.13~0.50mg/mlであり,穀醤は一般に魚醤よりキレート能が大きい.穀醤のキレート能が醤油の色素濃度(450nmにおける吸光度)と相関しなかったことは鉄錯体が非着色画分にも検出されたことと関連があると推定した.