著者
西山 彰子 村上 匡孝
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.213-221, 2003-06-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

ステロイド治療で不変, もしくはステロイド減量に伴って聴力閾値上昇を認めた急性感音難聴112例にイソソルビド投与を行い, 改善が認められた54例について以下の結果を認めた。 1) 26例が急性低音障害型感音難聴であった。 2) 28例は低音3周波数の合計が70dB以上でかつ高音域の閾値上昇も認めた。 3) イソソルビド開始後, 平均3日で自覚症状改善を認めた。 4) イソソルビド減量に伴う聴力変動を40%に認めた。 5) 減量時の聴力変動はイソソルビド増量のみで改善する場合とステロイド併用が有効である場合があった。