著者
西山 彰子 立本 圭吾 土井 玲子 中尾 美穂 鈴木 敏弘 志多 真理子 小宮 精一
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.229-236, 1999-08-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
13

高音急墜型難聴の場合, 会話域の音に反応が得られることから難聴を疑われず診断が遅れ, その後の対応に苦慮することが少なくない。 そこで今回我々は, 小児の両側高音急墜型難聴28例に対して, 本症の現状を把握する目的で, 診断までの経過, 聴力像, 既往歴, 構音障害, 補聴器装用などについて調査し検討した。 確定診断の平均年齢は7.1歳であった。 構音障害は約3分の2に認められた。 補聴器は半数の症例で装用開始した。 難聴に関連するリスク因子については, 新生児仮死などの周産期異常と遺伝性因子の頻度が高かった。
著者
鈴木 敏弘 海野 良輔 山里 一英 小泉 幸道 石川 森夫
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.129-134, 2020-11-17 (Released:2021-12-11)
参考文献数
20

Marinilactibacillus 属や Alkalibacterium 属などの好塩性・好アルカリ性乳酸菌は塩類の影響を受ける海洋環境からの分離例が多い。一方で、これらはチーズをはじめとする塩分を含む発酵食品にも存在するが、その由来については明らかにされていない。本研究では、同乳酸菌群の分離源の多様性の解明を目的として、発酵食品製造に用いられる可能性が考えられる海水天日塩から好塩性・好アルカリ性乳酸菌の分離を行った。供試した 23 点の海水天日塩のうち、フランス産の 2 点から集積培養によって Alkalibacterium 属乳酸菌を分離した。分離株は海洋環境より分離・報告された好塩性・好アルカリ性乳酸菌 Alkalibacterium putridalgicola と同定され、生理学的性状も類似していた。一方で、分離株は NaCl 20% 以上の耐塩性を有さず、生育に糖類を要求し、天日塩への付着時には増殖はしていない可能性が推察された。これらのことから天日塩には海洋環境で生育する好塩性・好アルカリ性の乳酸菌が付着、増殖はしないものの生存し、天日塩を使用した様々な食品製造環境に伝播している可能性が考えられた。