著者
岡田 泰穂 村上 泰介 伊藤 浩司 片寄 友 佐藤 隆次
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.557-561, 2004-05-01
参考文献数
12
被引用文献数
14

症例は91歳の男性で,右側腹部痛・嘔吐が出現し,当院入院となった.右季肋部の圧痛を認めたが筋性防御は認めず,白血球・CRPの著しい上昇と軽度黄疸が見られた.CT検査では,胆嚢腫大と造影効果のない胆嚢壁の肥厚,頚部に低吸収の腫瘤像が確認され,胆嚢捻転症に続発した急性壊死性胆嚢炎と診断し直ちに腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.Gross I型遊走胆嚢で,胆嚢管部を軸として時計方向に360度捻転していた.術中胆道造影では総胆管の拡張と結石像を認めたが,全身状態の悪化が見られたのでc-チューブのみを留置し,総胆管結石は術後内視鏡的乳頭切開術にて摘出,第51病日目に退院した.病理組織検査では胆嚢管部の捻転に続発した堪能の急性出血性梗塞と考えられた.胆嚢捻転症の多くは開腹時に確定診断されるが,我々は術前に画像診断し,早期に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行しえた.本症は胆嚢頚部の炎症所見がほとんど見られず,腹腔鏡下胆嚢摘出術のよい適応と考えられた.
著者
村上 泰介
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.175, 2015 (Released:2015-06-11)

本研究は発達障害の研究を通して, 私たちの身体イメージを再考することを目的としている. 発達障害―主に自閉症スペクトラム―は対人相互的反応に問題を抱えている. 一方で定型発達―健常―は, 新生児のときより周囲の成人との関係を通して, 成人の属する社会で共有される意味によって世界を分節化し知覚している. それとは異なり発達障害の知覚は, 対人相互的に決定づけられる事無く, 原初的知覚を基盤に発達しているのではないだろうか. 筆者は福祉施設で実施されている舞踊家と発達障害の人とのダンスセッションを通して, 原初的知覚による身体的コミュニケーションを調査し対人相互的反応によって形作られない身体イメージを模索している.