著者
目 武雄 藤野 明 村井 不二男 鈴井 明男 仏願 保男 西沢 麦夫
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.50, pp.19-24, 2008-09-01

Matatabi (Actinidia polygamy Miq., Actinidiaceae) is widely distributed in this country. It is well known from early times that the leaf, the fruit, and the root of this plant show special biological activity in Felidae animals. Although significant chemical studies were carried out, the isolation and structure elucidation of the active principles were not reported until 1959. We isolated two active principles from the methanol extract of the leaf and the fruit of matatabi, a lactone C_<10>H_<16>O_2 named matatabilactone (1), and a base C_<10>H_<13>N named actinidine (2), in 0.0035 and 0.12% yield, respectively. Herein the structure study and the synthesis of 1 and 2 will be discussed.
著者
村井 不二男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1324-1326, 1960-08-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
8
被引用文献数
4

著者らによって単離されたマタタビの有効成分の一つであるマタタビラクトン,C10H16O2(I)の化学構造についてのべる。Iの過マンガン酸カリウム酸化によって2種のネペタリン酸がえられた。またIの加水分解により,一部は相当するオキシ酸(VI)を結晶としてあたえ,このものの閉環によってイソイリドミルメシン(IVb)がえられた。これらの結果からマタタビラクトンはイリドミルメシン(IVa)とイソイリドミルメシン(IVb)の混合物であると推定される。
著者
口 武雄 村井 不二男 磯江 幸彦 玄 亟培 林 雄二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.507-528, 1969-06-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
84
被引用文献数
27

表題のネコ科動物の嗜好植物から著者らは2種の塩基(アクチニジンとボシュニアキン)を,C9-ラクトンとしてボシュニアラクトン,オニクラクトンおよびミツガシワラクトンを,C10-ラクトンとしてイリドミルメシン,イソイリドミルメシン,ジヒドロネペタラクトン,イソジヒドロネペタラクトン,ネオネペタラクトン,`イリドミルメシン,cis,cis-イソイリドミルメシンciscis-ジヒドロネペタラクトンとcis,cis-イソジヒドロネペタラクトンを,cis,cis-ラクトンとしてアクチニジオリドとジヒドロアクチニジオリドを単離した。これらの塩基,ラクトン類はいずれもネコ科動物に対して顕著な興奮作用を持っている。一方,クサカゲ淳ウの一種,ヨッボシクサカゲロウの雄もまたマタタビに強く誘引されることが知られており,著者らは虫果および葉から7種のイリドイドーアルコール類を単離した。これらのアルコ一ルは,ネオマタタピオールではl0-6μgで,マタタピオールおよびデヒドロイリドジオールは10-3μgで,またイリドジオール,5-ヒドロキシマタタピエーテル,7-ヒドロキシジヒドロマタタピエーテル,アロマタタピオールは1μgでそれぞれクサカゲロウを誘引する。著者らは上に述べた活性物質のすべての構造を化学的およびスペクトル的方法により決定し,かつ,それらを立体特異的に,あるいは生合成的経路で合成に成功した。またC11-ラクトン合成の途上ジエンからアレンーアルコールが光増感酸化でえられることを見いだした。C9-モノテルペンの立体化学は,ボシュニアリン酸のすべての異性体を確実に合成することにより確立された。
著者
目 武雄 藤野 明 村井 不二男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.9, pp.1444-1445, 1960-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
2
被引用文献数
1

マタタビラクトンの酸化によって得られたネぺタリン酸からアクチニジンを誘導し,両者を関係づけた。