著者
牧野 泰才 村尾 将和 前野 隆司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1644-1656, 2011-04-15

本研究で我々は,指下で生じる振動を取得する方法を提案する.爪に圧電素子を貼付し,接触や操作により生じた振動を検出する.このようにして得られた振動は,指の姿勢や外来ノイズに影響されることなく,接触対象や動作によって異なる波形を示すことを確認した.対象により接触音が異なることから,何を触ったのかを検出可能である.ヒトは行動を起こす際,多くの場合何かに触れる.したがって,この触対象が何かという情報は,新しいライフログのデータとして利用可能である.実験により提案手法の対象識別精度を確認した結果,12種類の日常動作を94.4%の精度で識別できることを確認した.また,ライフログの利用価値についても考察し,本手法が有効である用途の検討も行った.