著者
高間 総子 石井 薄 村木 繁
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.14-18, 1984-02-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
10
被引用文献数
2 8

日本産と韓国産のマツタケの香気成分の差異,およびマツタケの貯蔵による香気成分の消長を調べた。(1) 香気成分の収量は日本産が146ppm,韓国産が80ppmであった。1-オクテン-3-オール,cis-2-オクテノールおよびメチルシンナメートが共通して主要な香気成分であった。他の香気成分の組成も両者はかなり似通っていた。(2) マツタケを室温(27℃)で66時間貯蔵することにより,香気成分の収量は約1/2へと減少した。メチルシンナメートの含有量が増加した以外は,主成分である1-オクテン-3-オール,cis-2-オクテノールは1/2以下になり,その他の多くの成分も殆んどが減少した。低温(7℃)で貯蔵をすることによって,香気成分の収量が変わらないことがわかった。しかし,組成的には3-オクタノール,オクタノール等の増加,cis-2-オクテノールの減少のような成分間の変化が若干みられた。