著者
斉藤 進 高間 総子 豊巻 孝子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.165-168, 1972-07-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
9

環境条件が味覚にどのような心理的影響を与えるかについて実験するため, 温湿度, 照明, 音響などを調節できる特殊な官能審査室を設け, John, W. Mitchell が行なった1:2点官能審査法を採用し, パネルによる審査をした。その結果, 総合的に温湿度, 照明, 音響などの環境要素を変えた場合と, 照明のみを変えた環境条件下で行なった場合では何れも5%の水準で有意差があり, 環境が味覚の心理に影響したものと思われた。
著者
高間 総子 斎藤 進
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.255-260, 1971 (Released:2010-10-29)
参考文献数
10

低温における野菜貯蔵の効果をみるため, 試料にピーマン, トマトおよび人参を用いて, 対象区を室温とし品質, 重量, 水分量, 硬度, 細胞組織およびアミノ態窒素量の経時的変化をみた。その結果低温に貯蔵したものは室温のものに比し重量の減少は少なく水分含有量も多く, 従って品質, 鮮度の低下が少なかった。しかし硬度測定の結果では室温貯蔵のものは数値が低く軟化の早いことを示し, さらに組織の切片を検鏡した場合, この区のものは表皮細胞に変化がみられ, 鮮度, 品質の低下が明らかであった。なおピーマン, トマトのアミノ態窒素量の経時的変化では低温のものに比し室温貯蔵のものは含有量の増加が認められ, 内容成分の変化も野菜貯蔵の温度条件で異なることを示した。以上低温で蔬菜を貯蔵する場合低温は生鮮食品としての新鮮度, 品質の保持によい影響を与えていることを水分の含有量とこれに関する消耗率, 組織の硬軟, 細胞膜の状態およびアミノ態窒素の消長より確認することができた。
著者
高間 総子 石井 薄 村木 繁
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.14-18, 1984-02-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
10
被引用文献数
2 8

日本産と韓国産のマツタケの香気成分の差異,およびマツタケの貯蔵による香気成分の消長を調べた。(1) 香気成分の収量は日本産が146ppm,韓国産が80ppmであった。1-オクテン-3-オール,cis-2-オクテノールおよびメチルシンナメートが共通して主要な香気成分であった。他の香気成分の組成も両者はかなり似通っていた。(2) マツタケを室温(27℃)で66時間貯蔵することにより,香気成分の収量は約1/2へと減少した。メチルシンナメートの含有量が増加した以外は,主成分である1-オクテン-3-オール,cis-2-オクテノールは1/2以下になり,その他の多くの成分も殆んどが減少した。低温(7℃)で貯蔵をすることによって,香気成分の収量が変わらないことがわかった。しかし,組成的には3-オクタノール,オクタノール等の増加,cis-2-オクテノールの減少のような成分間の変化が若干みられた。