著者
村杉 健 大橋 岩雄 羽石 寛寿 地代 憲弘
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.148-153, 1982-06-15 (Released:2018-12-17)
被引用文献数
2

ハーズバーグのM-H理論において, 対人関係因子はH因子とされている.しかし, 日本人の労働者にとって, 対人関係因子はM因子的傾向を有している.日本人は労働者を動機づける要因は, たいへん複雑になている.日本人は, 職務に内在する因子と対人関係因子とによって動機づけられる.本研究は, ハーズバーグの最新(1976年)のデータと比較して, それらの対人関係因子について実証的に検討したものである.
著者
村杉 健 三木 信一
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.44-50, 1983-04-15 (Released:2018-12-17)

本研究は, HerzbergのM-H理論の理論的前提としてMaslowの欲求理論を実証的に検討したものである.Maslow理論の構造から, 基本的欲求(basic needs)の性質と種類, 欲求階層性(need hierarchy), 欲求先行性(need priorities)等の問題について提起し, desire-provision方式のモラール・サーベイを実施した3社400名について, desireとprovisionの関係を分析することで, それらの問題を検討した.その結果, 生理的欲求と安全の欲求は欠如欲求といえ, しかも両者の間に階層性も先行性も認められないので欲求のH因子とし, 尊重の欲求と自己実現欲求は成長欲求といえ欲求のM因子とし, 社会的欲求はどちらともいえず別の欲求であるR因子と考えられる.それゆえ, 本研究は, 欲求のM-R-H仮説を提起するものである.