著者
谷口 千絵 村田 加奈子
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.295-307, 2011 (Released:2011-11-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1

背景:日本における全出産数の1%を,地域で活動する助産師が助産所や産婦の自宅において介助している。また産科医不足という周産期医療の課題の解決策として,「正常分娩」を自立して行う助産師の業務が見直されている。目的:助産所の開設形態別に,開設者の視点からみた助産所を開設・運営する体験を明らかにする。方法:2003年から2006年の間に,助産所を開設または業務変更を行った助産所管理者5名を対象に,聞き取り調査を実施した。結果:助産師は助産所を開設することによって,自らが目指すケアを実現させることができ,同時に不本意なケアを提供している葛藤から解放されていた。また,助産師は家庭生活に合わせて段階的に業務拡大を行い,居住する地域社会の一員として受け入れられていった過程がみられた。分娩の取扱いを始めることは覚悟が要ることであり,助産師生命を賭けた業務拡大となっていた。有床助産所は開設資金と維持に課題があることが明らかとなった。結論:助産師は自立自営で助産所を開設することにより,病院勤務では実現しなかった妊娠・出産・産後を通じた継続的なケアを提供することができていた。助産師は,地域の一住民として社会的信用を得て,家庭生活に合わせた業務拡大を行っていた。
著者
猫田 泰敏 斉藤 恵美子 村田 加奈子 入江 慎治 原 正一郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、公衆衛生看護学の立場から、保健師養成課程の教育内容である疫学および保健統計学のミニマム・エッセンシャルズ(案)、すなわち、保健師学生が卒業時に最低限、身につけておくべき内容(案)を提案することである。また、これらの内容の習得に効果的で実践的な教育方法について、一部実践結果も含め、関連資料の提示を行った。