- 著者
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東 和樹
新井 イスマイル
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.2, pp.384-395, 2017-02-15
設備負担のない屋内測位手法で,スマートフォン搭載センサを駆使するものとしてWi-Fi・地磁気フィンガープリンティング(以下,FP)の双方を組み合わせた手法が提案されている.Liらの研究ではWi-Fi FPの測位結果周辺で地磁気FPを行うことで測位する.しかし提案されている手法では一方のFPが良い精度であっても,もう一方のFPの精度に測位結果が大きく影響されるという性質がある.この問題点を解決するために,観測したWi-Fiアクセスポイント(以下,AP)のBSSID観測状況に応じて制限したエリア内で地磁気FPを行った結果と,Wi-Fi FPの結果を,Wi-Fi FPの信頼度で加重平均することで,安定した精度を得る手法を提案する.評価の結果,測位誤差の平均値6.95m,中央値3.48m,測位失敗率0%となった.また実験環境上に存在するAPのBSSIDを無作為に75%削減したときの,測位誤差が5m以内に収まる確率について,Liらの手法は28%に対し,提案手法は48%を達成し,Wi-Fi FPの高い精度を維持したまま,Wi-Fi FPで測位できないエリアも安定した精度で測位できた.