著者
片桐 由希子 梶山 桃子 東 秀紀
出版者
首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.8, pp.61-69, 2015-01-31

観光立国の実現や2020年の東京オリンピックに向け,行政では観光地としての受入体制の向上に取り組んでいる。本研究は,アンケート調査を通じて地域の生活者側の視点からゲストハウスの宿泊者との交流の実態を捉え,着地型観光における観光インフラとしてゲストハウスの可能性を考察した。台東区のゲストハウスtoco.の事例では,ゲストハウスが提供する非宿泊者と宿泊者との交流の場が,周辺地域での宿泊者の観光体験の充足ともに,地域における観光客の存在と観光対象としての地域の価値を非宿泊者に意識させ,コミュニケーションスキルの向上につながるなど,多様化する個人旅行客に対する受け皿としての環境の構築を支え得るものであることが示唆された。