著者
河東 宗平 雨宮 尚弘 梶山 桃子 川嶋 裕子 塩川 さとこ 有馬 貴之 菊地 俊夫
出版者
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.6, pp.189-194, 2013-03

本報告は近年外国人観光客が増加する箱根の強羅地区を事例として,外国人観光客への取り組み状況の現状を把捉することを目的としたものである。調査は案内板調査,アンケート調査,動線調査,聞き取り調査の4つを行った。強羅における案内板は,そのほとんどが日本人観光客を意識したものであり,英語併記等の案内板は全くみられなかった。強羅における外国人観光客の増加自体は近年の現象であり,その割合も日本人観光客の割合には遠く及ばない。そのため,現状では外国人観光客への取り組みは,箱根の他地域と比べも大きく進展している状況ではなかった。しかしながら,強羅での就業者は外国人観光客を拒んでいる訳ではなく,むしろ迎え入れる意識を高く持っていた。2,3 年前から外国人を意識した接客を始めた施設が多い強羅ではあるが,今後,新たな取り組みがみられる可能性が高いと判断された。
著者
片桐 由希子 梶山 桃子 東 秀紀
出版者
首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.8, pp.61-69, 2015-01-31

観光立国の実現や2020年の東京オリンピックに向け,行政では観光地としての受入体制の向上に取り組んでいる。本研究は,アンケート調査を通じて地域の生活者側の視点からゲストハウスの宿泊者との交流の実態を捉え,着地型観光における観光インフラとしてゲストハウスの可能性を考察した。台東区のゲストハウスtoco.の事例では,ゲストハウスが提供する非宿泊者と宿泊者との交流の場が,周辺地域での宿泊者の観光体験の充足ともに,地域における観光客の存在と観光対象としての地域の価値を非宿泊者に意識させ,コミュニケーションスキルの向上につながるなど,多様化する個人旅行客に対する受け皿としての環境の構築を支え得るものであることが示唆された。