著者
東寺 祐亮
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.176, pp.79-94, 2020-08-25 (Released:2022-08-26)
参考文献数
16
被引用文献数
1

「LTD話し合い学習法 (Learning Through Discussion)」は読解の予習と小グループでのミーティングで構成された学習法である。これまで,日本語母語話者を中心に実施されているが,日本語学習者を対象にした場合の影響は明らかでない。そこで,本研究は,日本語学習者を対象にLTDを実施した場合,ディスカッション・スキルや協同作業認識にどのような影響を与えるかを調査した。その結果,ディスカッション・スキルについては,「場の進行と対処」,「積極的関与と自己主張」,「雰囲気作り」に肯定的な影響を与えることが明らかになった。また,協同作業認識については,「個人志向」,「互恵懸念」に肯定的な影響を与えることが明らかになった。一方,本実践では,日本語学習者を対象にLTDを実施する際の課題も見られた。本実践で生じた課題をもとに,LTDの手順,ディスカッションの使用言語,課題文選定に分けて整理する。
著者
黒田 匡迪 東寺 祐亮 坂井 美穂 渕上 千香子 吉村 充功
出版者
日本リメディアル教育学会
雑誌
リメディアル教育研究 (ISSN:18810470)
巻号頁・発行日
pp.jade.2022.02.15.01, (Released:2022-03-01)
参考文献数
4

日本文理大学工学部の初年次において,リメディアル科目として基礎学力講座(数学・国語)をクォータ制で開講している。2019年度までは共通シラバス・共通教材での複数クラスを対面授業で実施してきたが,クラス間の教育効果に差があるという課題があり,2020年度からはチームティーチングによる遠隔授業(合同クラス)への転換を図った。本研究では,チームティーチングが導入されている基礎学力講座(数学・国語)において,対面方式の授業を遠隔方式に変更した場合に,同程度の効果が得られるかを検証した。その結果,対面授業を行った2019年度と,チームティーチングを導入して遠隔授業を行った2020年度とで単位認定率と期末試験点数に有意な差は見られず,遜色ない効果が得られたことが明らかになった。一方で,2020年度の遠隔授業では,2019年度までの対面授業と比較して,欠席過多による不合格者が多いことが明らかになった。授業時のアンケートを基に,遠隔授業に馴染めない学生の原因・特性とそのサポート方法に関する考察を行った。