著者
松井 利之 岩瀬 彰宏
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

FeRh金属間化合物は,室温附近で反強磁性状態から強磁性状態へと変化する物質である.我々は,この物質にイオンビームを照射し,反強磁性が安定となる温度域で,強磁性状態を安定化させることに成功している.本研究ではこの成果を利用し,物質の磁気構造を3次元的に制御することにより,従来にない磁気構造を構築し,新規なデバイス応用を検討した.その結果,マイクロイオンビーム装置を用い2次元の磁気構造描画を可能にしたこと,多様なエネルギー域のイオン照射と熱処理を併用することで層状の磁気構造を構築したこと.クラスターイオンビーム照射により,際表面層の磁気構造を選択的に変化させ得ることなどを明らかにした.