著者
Baym Gordon 真部 知博 伊藤 正和 寺中 久男 高木 春男 松井 哲男 乙藤 岳志 上羽 牧夫
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.315-333, 1980-07-20

今まで高密度物質についていろいろと話をしてきました。物質を圧縮すると何がおこるだろうか。密度が10^4g/cm^3に達するとイオン状態になる。すベての電子は伝導状態にはいり,裸の原子核と電子のプラズマになってしまう。つづけて圧縮すると,核物質密度で原子核はくっつきはじめて核子の流体になる。この核子はそれぞれ3つのクォークから構成されている。更に圧縮されて核子同士がくっつきはじめると,ばらばらのクォークからなる液体になる。それはクォーク物質と呼ばれる。
著者
Baym Gordon 上羽 牧夫 高木 春男 白田 理一郎 山内 淳 田中 一尚 松井 哲男
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.265-280, 1980-03-20

きょうはπ凝縮の一般的問題について少し詳しく話す。π凝縮は中性子星の物理だけでなく,重イオン衝突の際にも重要な問題だし,通常の原子核にも関係があるかも知れない。中性子星のつくられる超新星爆発の機構にも重要である。
著者
松井 哲男
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.B105-B110, 1978

我々は,ハドロン多体系である植物質での新しい型の相転移として注目されているπ凝縮の問題を,核子サイドに焦点をあて,π凝縮にともなう核子系の構造変化と相転移のメカニズムを調べてきた。その際我々がとったアプローチの方法については,既に前回の研究会で報告済みであるが,今回は特に(1)我々のモデル("SCB")と京大グループの"1次元[ALS]"モデルとの対応関係,(2)核子-核子短距離相関とアイソバー・空孔偏極の効果をとり入れたより現実的な取り扱いへの予備的考察に重点をおいて,その後の研究の成果を報告した。