- 著者
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松宮 新吾
- 出版者
- 関西外国語大学
- 雑誌
- 研究論集 (ISSN:03881067)
- 巻号頁・発行日
- vol.90, pp.139-158, 2009-09
新学習指導要領により、小学校高学年における外国語(英語)が必修化され、週1コマ年間35時間の「英語活動」が5、6年生で実施される。 他方、中等教育機関では、教育特区等により早期英語教育を経験した学習者と未学習者とが混在した状況で英語教育が行われている。 本研究では、この移行期という特異な機会を捉え、早期英語学習者と未学習者との比較調査を行い、早期英語教育が学習者に及ぼす影響や効果を検証し、2011年から全面実施される小学校英語活動の教育効果について論じる。 学習者要因に係わる因子を分析した結果、早期英語学習者は、英語学習や異文化に対する好感的態度、統合的な目的意識等においてプラスの有意差を示した。 一方、言語スキルに係わる比較分析では二群間の統計的な有意差が確認できなかった。 これらの結果から、現行の「音声に慣れ親しむ」英語活動から、「文字認識」を含めた統合型英語活動についての提言を行う。