著者
垣内 俊彦 大枝 敏 岩根 紳治 泉 夏美 松尾 宗明 江口 有一郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.376-381, 2016-08-19 (Released:2016-09-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1

妊婦健診における肝炎ウイルス検査について受検の認識があるかどうかを明らかにするためアンケート調査をおこなった.2014年6月~7月の間に,1歳6か月児健診児の母親108名を対象とした.妊婦健診時にHBs抗原・HCV抗体検査を受けたことを認識しているのは,それぞれ47%,45%であった.また,検査の意義を理解している者は21%,22%と低値であった.2回以上測定されている経産婦においても認知度・理解度の上昇が得られることがなく,非医療者でその傾向がさらに強まる傾向であった.B型肝炎ワクチンの認知についても同様に非医療者で有意に低かった.最終的に無駄な肝炎検査を避け,肝炎検査を理解するためには,妊婦健診やB型肝炎ワクチンを実施する医療者による分りやすい表現や説明が重要である.