著者
福嶋 誠宣 新井 康平 松尾 貴巳
出版者
日本会計研究学会
雑誌
会計プログレス (ISSN:21896321)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.15, pp.26-37, 2014 (Released:2021-09-01)
参考文献数
22

CVP分析では,組織の活動量との関連という基準によってコストを固定費と変動費に分解する分析モデルが様式化された知識となっている。しかし,このコストの分解に回帰分析を用いると,負の固定費といった実態からかけ離れた異常値が推定される場合があるという欠点が指摘されてきた。その要因を探求するため,我々は実際の工場から提供を受けた財務データを用いて経験的な検証を行った。その結果,利益と関連した自由裁量費が,固定費の過小推定に影響していることが明らかとなった。