著者
原谷 達夫 松山 安雄 南 寛
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-7, 1960-06-30

1.12の民族的国家的集団に対する大阪市在住学徒のステレオタイプが質問紙法によって求められ,各集団ごとに上位5特性を表示した。2.Katz & Bralyの手法により,中学生,高校生,大学生という標本群ごとにステレオタイプの一致度指数を求め,それぞれ.24,.28,.26という平均値を得た。3.民族的好悪感情の順位を測定した結果から,ステレオタイプを通して示された好意性との関連を考察した。とくに注意されたのは,日本人学生の自己帰属感における知的感情的両側面の不一致である。4.対照的な結果として朝鮮人に対するステレオタイプの非好意性と選択順位の低さとの合致が指摘され,検討が加えられた。5.われわれが得た成果を理論的に次の2点に集約してみた。i)本邦楽徒の一致度指数があまり高くない根拠としては,知的文化という面のほかに,民族的無関心という面が指摘されよう。ii)欧米的資本主義的先進国に対する日本人学徒の劣等感は,朝鮮人のステレオタイプ像へ投射される可能性があり,客観的理性にもとづく認識により偏見を克服する必要が感じられる。
著者
田中 国夫 松山 安雄
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.8-14,59, 1969-10-15 (Released:2013-02-19)
参考文献数
13

社会的態度を因子分析のQテクニックの方法を用いて, 解明しようとするのが我々の主題である。本研究に於ては, 次の2つの点に問題をおいた。第1は, 青年学生集団に於ける, 天皇及び親に対する態度類型を見出すこと, 第2は, 被験者を家族という小集団に求めて, アメリカ及び新中国に対する態度の個人間の態度布置を見出すことである。第1の問題については, 先づ141名の大学生に, 天皇と親に対する態度尺度を与え, 平均的傾向を算出した。その結果は, 天皇に対しては中立的, 親に対しては比較的好意的である。尚天皇に対する態度と, 親に対する態度との間の相関は, γ=0.086で, その関係は全くみられない。次に上記被験者より30名を選び, 天皇及び親に対する態度尺度に含まれる各意見を, 各自の好みに従い品等させ, 個人間の相関を求めた。その結果を因子分析すると, 次の如き類型を見出し得た。即ち, 天皇に対する第1の類型は, 家父長的信頼型因子であり, 第2の類型は, 天皇制否定型因子である。親に対する第1因子は, 純敬愛型因子であり, 第2の因子は, 批判的愛情型と解釈された。又天皇に対して第1類型に属する者が, 親に対しては第2類型に属するという如く, 天皇と親に対する態度が, 同一個人内に於て統一した体系をなして居られぬ事が見られる。第1因子とも第2因子ともつかぬ, 明確な判断を欠く者は女性に多かった。第2の問題については, 被験者を2つの家族に選定した。大阪市在住と神戸市在住の家庭で, 成員はいずれも 5名である。各家族成員に, アメリカ及び新中国に対する態度尺度に含まれている意見を与え, 品等させ, Qテクニックにもとづき因子分栃したその結果得た因子行列を, 直交座標上にプロットすると次の事が判った。両家族とも, アメリカに対する類型は, アメリカの対目政策を批判し乍らも, 世界の文化のリーダーとして敬愛する類型と, 徹底的に批判乃至非難する類型との2つの因子がある。中国に対する態度は, 両家族ともに同一方向に群り, 家族成員間に対立的布置が余りみられないで, 皆同一類型に属している様子が見られる。今日の中国に対するマス・コミユニケーションのあり方の一端をも伺い得て興味深いものがある。
著者
田中 国夫 松山 安雄
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.8-14, 1957-02-25

社会的態度を因子分析のQテクニックの方法を用いて,解明しようとするのが我々の主題である。本研究に.於ては,次の2つの点に問題をおいた。第1は,青年掌.生集団に於ける,天皇及び親二対する態度類型を見出すこと,第2は,被験者を家族という小集団に求めて,アメリカ及び新中国に対する態度の個人間の態度布置を見出すことである。第1の問題については、先づ141名の大学生に,天皇と親に対する態度尺度を与え,平均的傾向を算出した。その結果は,天皇に対しては中立的,親に対しては比較的好意的である。尚天皇に対する態度と,親に対する態.度との間の相関は,γ=0,086で,その関係は全くみられない。次に上記被験者より30名を選び,天皇及び親に対する態度尺度に含まれる各意見を,各自の好みに従い品等させ,個人間の相関を求めた。その結果を因子分析すると,次の如き類型を見出し得た。即ち,天皇に対する第1の類型は,家父長的信頼型因子であり,第2の類型は,天皇制否定型因子である。親に対する第1因子は,純敬愛型因子であり,第2の因子は,批判的愛情型と解釈された。叉天皇に対して第1類型に属する者が,親に対しては第2類型に属するという如く,天皇と親に対する態度が,同一個人内に於て統一した体系をなして居られぬ事が見られる。第1因子とも第2因子ともつかぬ,明確な判断を欠く者は女性に多かった。第2の問題については,被験者を2つの家族に選定した。大阪市在住と神戸市在住の家庭で,成員はいずれも5名である。各家族成員に,アメリカ及び新中国に対す一る態度尺度に含まれている意見を与え,品等させ,Qテクニックにもとづき因子分析したその結果碍た因子行列を直交座標上にプロットすると次の事が判った。両家とも,アメリカに対する類型は,アメリカの対目政策を批判し乍らも,世界の文化のリーダーとして敬愛する一類型と,徹底的に批判乃至非難する類型との2つの因子がある。中国に対する態度は,両家族ともに同一方向に群り,家族成員問に対立的布置が余りみられないで,皆同一類型に属している様子が見られる。今日の中国に対するマス・コミュニケーションのあり方の一端をも伺い得て興味深いものがある。