著者
松岡 尚敏
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.27-41, 2007

わが国では近年、市民参加型社会の創造が志向される中、「シティズンシップ・エデュケーション(市民性教育)」の重要性が教育課題として取り上げられてきている。教育基本法および学校教育法の改正において、「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う」という文言が付加されたのも、こうした動向の一環といえる。シティズンシップ・エデュケーションでは、「協働教育」という考え方のもとで、大人と青少年とが共に学び合いながら、現代社会が直面している様々な課題を解決していくといった学びのあり方が模索されている。そこで、本稿では、シティズンシップ・エデュケーションにおける協働教育の意義と可能性についての考察を試みた。その際に、生涯学習における社会参加活動と学校教育における社会参加学習との連続性について、「アクティブ・シティズンシップ(実践的な市民的資質)」の視点から考察するとともに、そうした視点と関連づけながら、宮城県内における協働教育の実践例について検討を行った。
著者
松岡 尚敏 渡邊 淳一
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
vol.46, pp.15-29, 2011

本研究は、平成20年に告示された中学校学習指導要領の社会科歴史的分野において新設された「各時代の特色をとらえる学習」に関して、近代という時代に焦点をあてて考察するとともに、指導計画試案の作成を試みたものである。まず、「各時代の特色をとらえる学習」の趣旨および指導計画を設計する際の留意点について整理したのち、次に、日本近代史の特色について数個のキーワードで表現する作業を行った。その後、抽出された4つのキーワード、すなわち「中央集権的な近代国家の形成」「『国民』概念の創出」「帝国主義と植民地の領有」「工業化と資本主義の発達」に留意しながら、単元全体の指導計画(40時間扱い)およびその中で核となるいくつかの本時の指導計画について、試案という形で作成を試みている。