著者
佐野 哲文 立花 太陽 小出 明子 渡邊 淳一 龍田 恒康 佐野 正之 嶋田 淳
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.487-492, 2014-11-25 (Released:2015-11-25)
参考文献数
30
被引用文献数
2

上顎前歯部埋伏過剰歯は比較的遭遇する機会の多い疾患で,多様な障害を引き起こすことが知られている。一方で,適切な抜歯時期などについては明確な見解が得られていない。今回著者らは,2005 年1 月から2012 年12 月までの7 年間に小児歯科専門医院である当院を受診し,抜歯が必要と診断され外科処置を施行した132 例を対象として臨床的検討を行った。その結果,当院で扱った上顎前歯部過剰歯は男女比は2 対1 で男児に多く,部位は上顎前歯部正中が10.9%,上顎前歯部右側が44.9%,上顎前歯部左側が44.2%であった。また,萌出方向は順生が23.1%,逆生が71.4%,水平が5.5%であった。埋伏過剰歯数は1 歯が82.5%,2 歯が16.7%であり,3 歯は0.8%であった。さらに,パノラマエックス線写真上の埋伏過剰歯の位置については,鼻腔底下縁から歯槽骨頂までの距離に基づいて鼻腔底からそれぞれTypeⅠ~Ⅲとして垂直的深度を評価した。過剰歯の深度分類と手術時の平均年齢を比較すると,TypeⅠは全体における19.9%で平均年齢は7 歳7 か月,TypeⅡは全体における49.4%で平均年齢は6 歳3 か月,TypeⅢは全体の30.7%で平均年齢は6 歳5 か月であり,全過剰歯数の約80%がTypeⅡとTypeⅢに位置していた。これらの結果より,低年齢ほど浅い深度にある傾向が認められることが分かった。
著者
松岡 尚敏 渡邊 淳一
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
vol.46, pp.15-29, 2011

本研究は、平成20年に告示された中学校学習指導要領の社会科歴史的分野において新設された「各時代の特色をとらえる学習」に関して、近代という時代に焦点をあてて考察するとともに、指導計画試案の作成を試みたものである。まず、「各時代の特色をとらえる学習」の趣旨および指導計画を設計する際の留意点について整理したのち、次に、日本近代史の特色について数個のキーワードで表現する作業を行った。その後、抽出された4つのキーワード、すなわち「中央集権的な近代国家の形成」「『国民』概念の創出」「帝国主義と植民地の領有」「工業化と資本主義の発達」に留意しながら、単元全体の指導計画(40時間扱い)およびその中で核となるいくつかの本時の指導計画について、試案という形で作成を試みている。