著者
清水 肇 松島 啓信
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1072-1078, 2019
被引用文献数
1

<p>沖縄における密集市街地は木造建物が比較的少ない一方で狭隘道路・通路が入り組んだ状態にあることが特徴である。本研究は那覇市の密集市街地を対象に、避難路の状況の改善可能性を検討したものである。緊急避難路利用協定、防災空地整備、緊急避難路形成型協調建て替えの3つの手法を設定し、手法を適用した状態を仮定して、避難路の幅員、避難路沿いの木造・非木造建物、二方向避難路の3つの指標で評価を行った。避難路の幅員、雛路沿いの木造・非木造建物の指標は各種手法の適用によって大きな改善は見込めないが、二方向避難路については改善の可能性があることが見出された。緊急避難路利用協定は避難路の状況を改善する潜在的な可能性があり、さらに3つの手法を組み合わせて適用することにより効果を高めるられる可能性がある。</p>