著者
松下 憲司 松崎 茂展 大畑 雅典
出版者
高知大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

セラチア菌 (Serratia marscecens) は多剤耐性化の進行により、感染症の治療が困難になりつつある。我々は、本菌感染症に対するバクテリオファージ(ファージ)が保有する溶菌酵素を利用するファージ療法の可能性を検討した。まず、我々が分離した2種のセラチア菌ファージKSP90、KSP100の全ゲノム塩基配列を解読したが、相同性検索では溶菌酵素ドメインをもつ遺伝子は特定できなかった。そこで、データバンクに登録されているセラチアファージETAの推定溶菌酵素をBacillus属ファージ の溶菌酵素の推定外膜透過ドメインと融合させた融合タンパク質の遺伝子を合成し、溶菌活性の検討を進めている。