著者
松下 憲司 松崎 茂展 大畑 雅典
出版者
高知大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

セラチア菌 (Serratia marscecens) は多剤耐性化の進行により、感染症の治療が困難になりつつある。我々は、本菌感染症に対するバクテリオファージ(ファージ)が保有する溶菌酵素を利用するファージ療法の可能性を検討した。まず、我々が分離した2種のセラチア菌ファージKSP90、KSP100の全ゲノム塩基配列を解読したが、相同性検索では溶菌酵素ドメインをもつ遺伝子は特定できなかった。そこで、データバンクに登録されているセラチアファージETAの推定溶菌酵素をBacillus属ファージ の溶菌酵素の推定外膜透過ドメインと融合させた融合タンパク質の遺伝子を合成し、溶菌活性の検討を進めている。
著者
大畑 雅典
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

2008年にヒトポリオーマウイルスとしては初の腫瘍ウイルスであるメルケル細胞ポリオーマウイルス(MCPyV)が報告された。欧米ではMCPyVと慢性リンパ性白血病(CLL)との病因的関与について報告がなされているが、我が国でのMCPyVとCLLの関係については明らかにされていなかった。本研究において一部の本邦発症CLLでMCPyVが検出されたが、CLL発症に直接的な役割を果たしているかは不明である。MCPyVは単球にも持続感染することが報告されている。この持続感染が細胞の腫瘍化へと発展させるのかどうかは不明であった。そこで、単球性白血病におけるMCPyVの感染有無について解析した。