- 著者
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尾形 昭逸
実岡 寛文
松本 勝士
- 出版者
- 日本草地学会
- 雑誌
- 日草誌 (ISSN:04475933)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.1, pp.34-42, 1985
- 被引用文献数
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暖地型飼料作物ダリスグラスCV.九州5号(Da),ローズグラスCV.カタンボラ(Ro),バヒアグラスCV.コモン(Ba),ソルガムCV.スィート(SS),ソルガムCV.ランチャー(Rs),トウモロコシCV.スノーデント1号(Zm),シコクビェ(Am),ハトムギ(Ha)を自動潅水装置で土壌水分をpF1.7,pF2.3,pF2.8の3水準に調節した水分処理区と無潅水区を設けた実験圃場下で栽培し,地上部・根部生育量,葉の水ポテンシァル,気孔抵抗,無機成分含有率を測定し,暖地型飼料作物の水ストレス耐性の草種間差と水ストレス耐性機構の解析を行なった。1)最高収量区に対する無潅水区の地上部相対生育量は,Da>Ro≧Ba>Rs>SS>Zm>Am>Haの順に大で,水ストレス耐性はDa,Ro,Baで高く,Zm,Am,Haで低く,Rs,SS,で中間的耐性を示した。2)水ストレスによりDa,Baの根重は増加,Ro,Zm,SS,Haでは低下し,その低下割合は水ストレス耐性の低い草種で大であった。また,水ストレスにより根部乾重/地上部乾重比(R-T比)は,水ストレス耐性の高い草種でより高い傾向にあった。3)葉の水ポテンシャルは,水ストレスにより低下し,その低下は,Da<Am<Ba<Rs<SS<Ha<Ro<Zmの順に大で,水ストレス耐性の低い草種の葉の水ポテンシャルの低下は大であった。4)気孔抵抗は,水ストレスにより増加し,その増加は,Zm>Ha>Rs>SS>Am>Ba>Da>Roの順に高く,水ストレス耐性の低い草種の気孔抵抗の増加は大であった。5)無機成分吸収量は水ストレスにより低下し,その低下割合は水ストレス耐性の低い草種で大であった。また,水ストレス耐性の低い草種ではカリ,カルシウム,マグネシウムに比較し,窒素,りん吸収量の低下が大であった。