著者
松本 忠明
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.352-358, 2012

帝人在宅医療株式会社では,東日本大震災発生直後から被災地をはじめ,停電エリアの在宅酸素療法患者への支援活動を実施した.震度5弱以上の被災地には約2万5,000人に及ぶ当社酸素濃縮装置の使用者がおり,地震発生直後から災害対応支援システム(D-MAP)を活用した安否確認を開始.仙台に災害対策本部,東京に災害支援本部を設置して,全国から応援要員の派遣や酸素濃縮装置,酸素ボンベの緊急配送を行い,避難所や医療機関で酸素療法が継続できる体制を整備した.今後の課題としては,「地震災害対策マニュアル」の改訂を進めるとともに,緊急時の携帯用酸素ボンベへのスムーズな移行,低流量で乗り切るための呼吸リハビリテーション指導など,患者指導の支援があげられる.加えて,災害時支援における行政,医療機関,在宅酸素事業者の連携体制の確立が重要である.