著者
次山 淳 松村 恵司 松村 恵司 次山 淳 池田 善文 梅崎 恵司 江草 宣友 小畑 弘己 神崎 勝 北野 隆亮 木村 理恵 小泉 武寛 小林 義孝 栄原 永遠男 芝田 悟 関口 かをり 高橋 照彦 田中 大介 永井 久美男 濱崎 真二 降幡 順子 古田 修久 松崎 俊郎 松村 恵司 宮崎 貴夫 森岡 秀人
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

3カ年にわたる研究により、銅銭を基軸に据えた貨幣制度の導入が、中国式都城の建設と一体的に企画され、富本銭が発行された歴史的経緯が明らかになった。和同開珎の発行時には、銭貨の規格性を維持しつつ発行量の増大を図るために、鋳銭体制の整備と鋳銭技術の改良が図られていること、地金貨幣である無文銀銭を駆逐するために和同銀銭が発行されるなど、7世紀末から8世紀初頭にかけての貨幣関係記事が、名目貨幣である国内通貨の定着に向けた一連の貨幣政策として整合的に理解できるようになった。
著者
松村 恵司
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、全国の和同開珎出土遺跡(784遺跡、出土総数6362点)の正確な分布図を古代の国単位に作成し、駅路、駅家、国府などとの位置関係から、和同開珎出土遺跡の性格を探り、古代銭貨の流通が都城と畿内周辺国に限られたとする従来の通説的理解の検証を試みた。その結果、出土遺跡が駅路沿いに分布する傾向が明確になり始め、畿外における銭貨流通が駅路沿いに展開した可能性が高まった。また、藤原宮出土の木簡の分析を通して、和同開珎の銀銭1文が銅銭10文の価値であることを明らかにし、江戸時代から続く銀・銅銭の法定比価をめぐる論争に終止符を打つことができた。