- 著者
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松沢 秀二
井本 友三久
岡崎 正樹
- 出版者
- 公益社団法人 高分子学会
- 雑誌
- 高分子化學 (ISSN:00232556)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.273, pp.25-30, 1968-01-25 (Released:2010-10-14)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
3
PVA 3%, ホルムアルデヒド5%および塩酸0.5Nの水溶液をつくり, PVAをホルマール化し, ホルマール化度の異なるホルマール化PVA (PVFW) を作製した。このさい, すでに知られているように, ホルマール化度30mol%を越えるとPVFWは沈殿してくる。PVFWの残存水酸基をピリジンを触媒に用いて酢化した。それら酢化物のうち, ホルマール化度45mol%以上のものは, クロロホルムに部分的に可溶であるか, 完全に不溶であった。また部分ケン化PVAcのケン化と同時ホルマール化を酢酸水溶液中で行ない (反応は終始均一系で進んだ) 得られたホルマール化PVA (PVFS) は, 酢化後ホルマール化度80mol%のものまでクロロホルムに可溶であった。ホルマール化22mol%以上の酢化PVFWの極限粘度数の原料PVAcのそれに対する増加量は, 同一ホルマール化度の酢化PVASのそれより大であった。またそれらの試料の数平均分子量を浸透圧法により求めた。ホルマール化度22mol%以上のPVFWの数平均分子量は線状ポリマーとして計算した値より大であった。PVFSの場合それはすべて計算値よりやや小であった。以上から, 水溶液より出発するホルマール化反応のさい橋かけが生ずると結論した。