著者
松浦 大祐 山内 仁 高橋 浩光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.1075-1083, 2002-06-01
被引用文献数
44

現在,高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:ITS)及びその1構成システムであるAHS(Advanced cruise-assist Highway Systems)についての研究が盛んである.このAHSを構成する一つとして,道路カラー画像から道路標識を抽出・認識し運転者に注意を喚起するシステムが考えられている.本論文では,実用的な処理時間で円形道路標識を抽出可能な新しい手法を提案する.提案手法は,入力となる道路カラー画像から道路標識に使用されている色(特定色)を判別した後,その分布状況によって抽出処理の対象領域を限定することにより,処理時間の大幅な削減を図っている.更に,抽出領域に占める特定色の面積比率を利用することにより,抽出精度の向上と更なる処理時間の短縮を図っている.53枚の道路カラー画像を用いた評価実験の結果,94.7%の高抽出率を達成するとともに,平均処理時間が約2.18秒とほぼ実用的な処理時間を達成できることが示された.