著者
松浦 正樹 深林 太計志 立蔵 洋介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.329, pp.7-12, 2003-09-29
参考文献数
12

女声のような高ピッチ音声の分析精度を改善することを目的として,線形予測分析・合成により線形予測残差(以下これを残差と呼ぶ)そのものを利用してピッチ周期を可変伸長処理し,ピッチ周期毎に窓を掛け波形を分離して,フレーム内の波形を一括線形予測分析する方法を既に提案している.この方法で残差そのものを利用可能にするのは,残差へのオールパスフィルタリング処理により,残差のピッチ周期毎への分離が残差のもつ有用な音声スペクトル包絡情報の一部に悪影響を及ぼすことなく容易に行えるためである.本論文では,この提案法について,オールパスフィルタのパラメータや'0'系列挿入位置等の種々の分析条件,声門開口比による分析精度を検討し,分析条件の制約が厳しくないことを示す.