著者
松田 光司 川津 智是 三木 吉治
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.864-871, 1979

Hydroa vacciniformeの3例を報告した。いずれも顔面, 手背, 下腿に丘疹, 小水疱をみとめ, 小瘢痕を残して治癒した。うち2例に眼病変をみとめた。検査成績では, いずれも尿, 血液ポルフィリンは正常域であり, 3例ともに血清鉄の減少と1例に尿アミノ酸の軽度増加をみた。また光線検査はいずれも陰性であつた。わが国での報告例中, 尿, 血液ポルフィリン検索で異常をみとめない19例を自験例と比較し, hydroa vacciniformeの独立性について考察した。
著者
松田 光司
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.113-128, 1996-12-31 (Released:2016-08-26)
参考文献数
8
被引用文献数
4

本稿は、Granovetterによって集団行動のモデルとして提唱された『閾値モデル』をもとにして流行現象のみにおいてさらに詳しく考察し新モデルの発表を目的とするものである。まず、理論面で閾値の分布形態と流行現象の関係を調べた。その結果をふまえて閾値モデルの矛盾点を指摘する。そしてその矛盾点を解決する為に、従来のある時刻の流行の採用率のみを考慮に入れたモデルから採用率と時間を考慮に入れたベクトル型閾値モデルを考案した。また、その新モデルにもとづいた社会調査を行ない、その結果得られたデータを新モデルに適用した。そして、その調査対象ではどのような流行現象が起こるかについて考察した。その結果、閾値モデルでは、終局の採用率がほとんど初期値によらないのに対して新モデルでは終局の採用率が初期値によって変化するということがわかった。