著者
松田 君彦 児嶋 晃代
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要. 教育科学編 (ISSN:09136606)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.187-203, 2002

子どもは,普段からの親の自分に対する態度や関わり方からいろんなことを感じ取っており,日常の叱られるという場面でちょっとした叱りことばの違いに敏感に反応しているといえる。本研究は,親の用いる叱りことばをいくつかのタイプに分類し,どのような叱り方が子どもに受容されやすいかということ,さらには,親の自分に対する日頃の関わり方を子ども自身がどのように認知しているかによって,同じ叱り方でも受け止め方に違いが見られるのではないかということを調べることが目的である。結果としては,「人格評価」や「突き放し」といった叱り方は子どもに反発感情を生じさせるが,親との信頼関係の有無が重要な媒介変数であることがわかった。
著者
松田 君彦 林 紋子
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 (ISSN:09175865)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.149-156, 2005

子どもが叱られる場面だけに注目するのではなく、その前後、つまり、叱られる様な事態に至った経緯、更には、叱られた子どもが示した反応に対して大人がどのように応答することが望ましいかということに焦点を当てた研究を行った。その結果、叱られるような事態を招いた原因に関する認知が明確に現れるのは児童後期であること、子どもが自己責任を感じている場合では、親の叱り方にかかわらず、受諾反応が多く、また親の叱りの背景に肯定的な信念を感じ取る傾向が強いことが明らかになった。