著者
松田 静男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.79-82, 2003-01-01
被引用文献数
1

筆者は[1]で結合線路形3極真空管の電極間部分静電容量を等角写像法により求めたが,[1]では電極導体間を均質誘電体と考えてその誘電率は電極間空間の場所にかかわらず真空の誘電率とした.一方高密度の結合線路形3電極プラズマ管では[2]で述べたようにプラズマの等価誘電率は陰極導体からの距離によって異なるような不均質誘電体と考えねばならない.本論文では[1]の理論を電極導体間プラズマが[2]で述べたような不均質誘電体である場合に拡張して単位長当りの電極間部分静電容量を求めている.
著者
松田 静男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.663-676, 1997-04-25
被引用文献数
7

3本の平行電極導体で構成された結合線路形3極真空管[3](以下では真空管と略記)の3電極がプラズマ空間中に置かれた結合線路形3電極プラズマ管(以下ではプラズマ管と略記)はこれを能動的分布結合線路とみなせば二つの伝搬定数をもち, 伝搬定数はプラズマ管の構造寸法のほかにプラズマ条件(プラズマ温度, プラズマ密度, バイアス電圧)に依存し少なくとも一つの伝搬定数は利得伝搬定数(実部と虚部が異符号)となり, プラズマ周波数以下の電磁波でも振幅が指数関数的に増大しながら電極導体に沿ってプラズマ中を伝搬する可能性がある[2]. 本論文では電極導体の具体的構造を設定し, 電極導体の周囲を電子空間電荷と完全電離プラズマの混合体とみなし, その電極間静電容量と相互コンダクタンスの理論計算値[3], 能動的分布結合線路の理論[1]ならびにプラズマの等価誘電体の考え方[4]を適用し, 物理的解釈よりも工学的あるいは等価回路的考察に基づいてプラズマ管の伝搬定数を求め, 更にプラズマ管の電極間に静電容量を付加することにより一方の伝搬定数が無損失伝搬で他方が損失伝搬(安定な無損失伝搬)となるために必要な静電装荷条件, 電極の接地方式, プラズマ条件等の関係を検討する.