- 著者
-
末廣 栄一
河島 雅到
松野 彰
- 出版者
- 一般社団法人日本脳神経外科コングレス
- 雑誌
- 脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.3, pp.159-164, 2022 (Released:2022-03-25)
- 参考文献数
- 28
日本社会の高齢化は急速に進行しており, 抗血栓療法の重要性は増している. 虚血性疾患における抗血栓薬の有効性は知られているが, 多種類の抗血小板薬や抗凝固薬の中から何を選択するのか, 抗血小板薬2剤併用療法などオプション治療の適応, さらに投与のタイミングや期間について選択の幅が拡がっており, 抗血栓薬に関する広い知識が求められる. 抗血栓療法には出血性合併症のリスクも伴う. まずは, リスクを減らす投与方法が重要である. また, 合併症の発生時には, 抗血栓療法の中止や中和療法を含めた適切な対応で合併症状を最小限に抑制しなければならない. 本稿では, 抗血栓薬の効果と安全性についてエビデンスを中心に再整理する.