- 著者
-
今井 芳枝
雄西 智恵美
板東 孝枝
- 出版者
- 一般社団法人 日本看護研究学会
- 雑誌
- 日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.2, pp.2_73-2_85, 2016-06-20 (Released:2017-01-27)
- 参考文献数
- 83
本研究の目的は「納得」の概念分析を行い,納得の定義を明確にし,納得を導く看護支援を検討することにある。研究方法はRodgersの概念分析を用いて「納得」の概念分析を実施した。その結果,対象文献74文献より,8つの属性,4つの先行要件,7つの帰結が抽出され,納得は『ある事象に対して自分のもつ価値や自分への利益を明確にすることで理解を深め,認知的にも感情的にも受容した状態であり,主体的かつ他者との信頼関係のなかで生み出される流動的な状態』と定義された。納得の概念は,利益,能動性,信頼関係の特徴があると考えられた。納得の概念分析より,治療を受ける患者に対して,主体性を尊重しながら,患者のもついままでの経験を踏まえつつかかわる重要性や,納得を支えるうえで,日々の看護師の行う日常生活援助が鍵となることが示唆された。